about

ー杜のアトリエ黎明設立にあたりー

この土地とアトリエは洋画家の故笹岡了一氏、同じく画家で歌人でもあった故秋元松子氏が、創作活動とともに、後進の指導に当たった場所で、その遺族である秋元由美子氏から、社会教育に役立てて欲しいと寄贈を受けたものです。

流山市では、笹岡・秋元両画伯の業績に鑑み、ご遺族の意思を活かして「杜のアトリエ黎明」として整備いたしました。 「杜のアトリエ黎明」はささやかな施設であります。しかし、笹岡・秋元両画伯のゆかりのアトリエであり、必ずや皆様の創作活動にお役に立つと考えます。

このアトリエを基点に様々な創作活動を始めとした芸術文化活動が展開され、ひとりでも多くの方々の感動の場となることを願ってやみません。

ー新しい時代のはじまり、夜明け。ー

昭和21年、戦地から生還を果たした画家笹岡了一氏は、妻秋元松子氏の生家、流山に居を構え、いち早く画壇に復帰し、この地より二人三脚で中央へ発進しました。

二人は評論家柳亮の主宰するJAN絵画研究所「黎明会」に入会し、構図法を学びます。この会には、洋画家の会派を超えて各団体の会員が参加、研鑽を積んでいった研究所です。
この黎明会運動を千葉県でも発展させようと、昭和32年、二人は自宅の杜にアトリエを建設し、「L.・T・S笹岡絵画研究所」を開設しました。そして後進の指導に当たりました。L(黎明)・T(千葉)・S(笹岡)という意味が含まれており、ここから沢山の人材が輩出し、千葉県をはじめ各地で多くの作家が活躍しています。

黎明とは「新しい時代のはじまり、夜明け。」
38年の歴史に幕を閉じて尚、再び「杜のアトリエ」として生まれ変わり、新しい息吹が生まれていくのです。

message

当館は、自然豊かな流山市の一角に位置し、地域の文化と創造を育む場として設立されました。[黎明」という名前には、未来へ向けた希望と、創造の新たな始まりという意味が込められております。日々変わりゆく時代の中で、アート・パフォーマンス・ワークショップをはじめとするさまざまなイベントを通じての体験が、皆さま方の豊かな創造性を育む一助となれば幸いです。

笹岡了一・秋元松子両画伯のアトリエでの創作活動は、単に作品を生み出すだけでなく、心を通わせ、交流し、共に創り上げていく場所として多くの人々に愛されました。

その精神は、今もなおここ「杜のアトリエ黎明」の活動に息づいています。
どうぞ、ご自身のペースで、ゆっくりとご覧いただき、心豊かなひとときをお過ごしください。

流山市アトリエ黎明 館長